断片置き場

小説とか書評とかを書いていくつもりです

小説

坂の祠

あんなところに祠があったとは知らなかった、山を切り開いた静かな道路の横、斜面を少し上ったところに小さな赤い祠があった。 何度か散策にここを通ったが、今までは草が生い茂って気づかなかったのだ。 今日は草が倒されていたから気づくことができた。地…

燃えがら

うなされている声で目が覚めました。隣で眠る彼は悲痛な顔で少し涙さえ流していました。 昨日は疲れていたのです。私たち二人ともがよく知っていた女の子の葬儀があったので。 部屋の明かりがついたままでした。二人とも出来事の重みに耐えかねて夢へと転が…